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STORES レジ リリースの舞台裏〜はじまり編〜

先日リリースを迎えたSTORES レジ。その舞台裏ではどのようなことが起きていたのでしょうか。全4本にわたるシリーズでSTORES レジのお話を聞いていきます。第3回目は、このSTORES レジができたときのお話。CPOの塚原文奈(つかはら・あやな)(以下、塚)さん、デザイナーでありSTORES レジのプロダクトマネージャーである井出 優太(いで・ゆうた)(以下、井)さんにお話を聞きます。

*この記事はhey designers night vol.4の対談内容の再編です。

オーナーさんの課題をどう見つけたか

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──まずは自己紹介をお願いします。

塚:heyでCPOをやっている塚原です。
井:デザイナーで、STORES レジのプロダクトマネージャーの井出です。

──今回はSTORES レジがどうやって生まれたのかについてお伺いしたいと思います。ざっくりしたタイムラインを教えてください。

井:プロジェクトが始まったのは2019年の6月くらいです。このプロジェクトはゴールが決まっていてそれを目掛けて作業を進めていくのではなく、オーナーさんにとってどんなものが必要なのかを探りながら探索的に作っていくものでした。プロジェクトが始まった当時はメンバーがいなかったので、僕一人でひたすら考えているフェーズが数ヶ月続きました。

塚:一方会社は、hey全体でもまだ100名くらいの組織で、今の400名規模に比べると小さい時期でした。デザインチームも、会社が統合する前でばらばらで動いていたので、人数は多くなかったですよね。

井:そうですね。そんな中、当時の僕は新規事業を作っては壊している人、みたいなポジションで、ひたすら何をつくるかを考えていたわけです。ドキュメントを書いては考える、というのを繰り返し、2020年のあたまくらいにこういう課題を解決しよう、と決まってから細かい要件をつめていって、1年半ほどでリリースに漕ぎ着けました。

──今回はこのSTORES レジのはじまりのところのお話を聞きたいのですが、この考えていたフェーズではどのようなことをやられていたのでしょうか?

塚:まず、大きなテーマとして、オンラインとオフラインをくっつけて、オーナーさんの課題解決ができるプロダクトを作ることがありました。STORESのサービスを使ってくれているオーナーさんたちの中には、ネットショップを作って手応えがあって、オフラインの店舗に染み出すように活動を広げている方たちがいるのもわかっていました。このようなマルチチャネルでお商売をするのは今後当たり前になりそうだという仮説を立てて、そこで実際にオーナーさんが何に困っているのかをリサーチしに行きました。リサーチではとにかく話を聞きに行き、実際の店舗の運営を見せていただきました。そこで見えてきたのは、ネットショップとオフラインの店舗で、在庫やお客さんの情報などが一括管理されていないこと。さらに、それらはもう仕方ないこととして諦められているのが普通で、アナログな処理で解決していることが多いことでした。

井:この時はチームがないので、僕とあやさん(塚原)でお店にヒアリングに行っていましたね。デザインのプロトタイプも持って行きました。課題になっていそうなことを持ち帰っては、めちゃくちゃドキュメントを書いていた。


塚:ドキュメントにはプロセスも書いていましたよね。私となら阿吽の呼吸で分かり合えるものを言語化するのは大変だったと思います。

井:やりきるしかないという思いで、書けるものは全て書いていました。のちにチームメンバーが増えていきドキュメントを読んでもらいましたが、それでも完全に伝わったとは思っていません。

作っては壊し、見つけた課題を形にする

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──そうやって課題をみつけていってプロダクトを作っていかれたわけですが、デザインもいくつかのバージョンに分かれるくらい、きちんと作ってはきちんと壊しているという印象があります。

井:何度も変更がありました。最初のver.1は2019年にまだなにもわからない状態で探索的にやっていた時のプロトタイプ。その後、ある程度課題から要件を落とし込んでデザインシステムを定義し作ったver.2。

塚:デザイナーとしてver.2を一緒に作ったりょうこさんはver.2を作った時に「完成した」と思っていたとか。

井:ver.2が実装完了したのが2021年の3月くらいのことでした。当初のリリース予定日の5月24日守るのであれば、これを出すことになっていたと思います。けれど、そこですでにもう改善したほうが良い点が見つかっていました。実装されるかはわからないけれど改善案を出しながら、だめなところがあるのに直さないわけにはいかないなと考えて作ったデザイン案がver.3です。

──このリリース日の延期については、経営判断はどのように出したのですか。

塚:リリース日が延期される1ヶ月をどう見るかは、会社によって判断が分かれるところかもしれません。もう組み上がっていて問題なく動くのだから、ver.2で出すということも多いにありえたと思います。けれど、heyの場合は一番最初に使っていただいた時に手触りが気持ち良いかも重視していました。実際に自分で触ってみてもどう考えても新しいバージョンのほうが良いとなり、それであれば体験を重視して延期する判断をしました。めちゃくちゃ議論して結論を出したというよりは、「新しい方が断然いいからそうしよう」と、すぐに判断できたのを覚えています。

井:2年間という長いリリースまでの期間で僕らが気づいたことは「考えていることを伝えるため何度も言葉をつくす」こと、「とにかくたくさん作ってたくさん捨てないとわかるようにならない」ということでした。

「待ってた!「嬉しい!」の声に実感

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──実際にSTORES レジをリリースしてみていかがですか。

塚:リリース後、実際にこういう方が喜んでくれるかな、と思っていたオーナーさんたちから実際に「お!!待ってた!!」「めっちゃ嬉しい」という声をたくさんいただきました。そういう声を聞いた瞬間に、今までの2年の歳月や大変だったこと、ドキドキや不安がふっとんで、自分たちが進む方向は間違えていないんだな、信じられるなと感じたのを覚えています。一方で、STORES レジ は、産まれたてのサービスでかなり不足している部分が多く、改善の余地がありまくるサービスであることは、自覚しています。これから、オーナーさんの期待を 超えられるサービスに、チーム一丸となって進んでいくのがこれからの目標です。

井:まずはちゃんと使ってもらえたことにホッとしています。まだまだ基本的な部分でも不足はありつつも、はじめにフォーカスしていた機能が課題をしっかり捉えていることや、まるっとSTORESで揃えられる気楽さ、かんたんさという価値が想像しているよりも大きいという実感がもてました。これからは、オンラインとオフラインをつなぐ土台ができたので、ネットショップとお店のさまざまな課題をまるっと解決していけるサービスになれるよう頑張りたいと思っています。

(構成・写真:出川 光)



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