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「ありがとう」で苦労が吹き飛ぶ。ワクチン接種に予約システムを提供した STORES 予約 のカスタマーサクセスの舞台裏

STORES 予約 が予約システムを提供した、新型コロナウイルスのワクチン接種。その裏にすごいカスタマーサクセスのメンバーがいると聞いてさっそくインタビューしてきました。お話を聞いたのは、heyのカスタマーズ部門サクセス本部で働く谷中千菜美(やなか・ちなみ)さんです。

10年歌って、飛び込んだビジネスの世界

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──谷中さんのキャリアからお話を始めたいと思います。キャリアのスタートはどんな風に始まったのですか?

実は私、歌手をやっていたんですよ。15歳くらいの時から音楽を目指しはじめて、ポップスを歌ってきました。仕事はベンチャー企業でアルバイトとして人事の仕事をしたり、営業サポートの仕事をしたり。長く活動していたので地方まで来てくれるファンの方などもいて、楽しく活動していました。

──すごいですね。一番いい思い出は何でしたか?

ワンマンライブをしたことです。50人くらい入る会場で、自分で企画して二回のワンマンライブをやりました。進行も自分の好きなようにできるし、ずっと歌っていられるし、とても楽しかったです。

──素敵ですね。私も歌を聞いてみたくなっちゃいました。今も活動を?

いいえ。音楽活動を始めて10年になる25歳の時にすぱっとやめたんです。専門学校で音響を学んでもいましたが、音楽関係の仕事にもつかず、正社員になろうと思って仕事を探し始めました。

──どうしてそういう決断をしたのですか?

今まで音楽がメインで、仕事はそれを支えるようなものでした。けれど、私の中にはいつかキャリアウーマンとしてバリバリ働いてみたいという夢もありました。小さな頃にドラマなどで憧れたんです。それで、その一歩としてまず正社員として働いてみよう、って。

──なるほど。どんな仕事に就かれたのでしょう?

ウェブ面接のシステムを提供する会社に営業職で採用されました。飛び込み営業もやっているような会社でしたが、経験を積まないと何も始まらないと思い入社を決めました。ですが、入社前に取締役の方に呼ばれて、カスタマーサクセス(以下、CS)の仕事をやってみないかと誘ってもらったんです。

──CSの経験はあったのですか?

いいえ、実はカスタマーサポートとの違いもわからない状態でした(笑)。それでもやらせてもらえるポジションがあるならばと始めて、導入から更新の交渉までを網羅的に担当させてもらいました。

──大変なことはどんなことでしたか?

人の入れ替えが激しかったことでしょうか。勤務時間が長かったり、システムが上手く稼働しないこともあり、そのタイミングで心が折れて辞めてしまう人が多くて。

──それは大変そうですね。谷中さんも辛かったのでは?

私も結構やばい時がありました。けれど、あの時は無我夢中でやるしかなかったし、助けてくれる先輩もいたので頑張ろう、と思って。「CSみんなここで一回頑張ろうよ!」という雰囲気を作って、自分のことも奮い立たせていました。

──すごい。では、それは転職の理由ではなかったんですね。

はい。転職を考えたのは、今お話ししたような事情からCSの業務内容がシステムが稼働しない時の調査依頼だったり、お客様に謝る場面も多くなってしまっていたからです。もっといろんな施策を打ったり、種類の違うプロダクトに関わる経験もしたかった。そこでheyを見つけたんです。

hey入社後、すぐ任されたワクチン予約のオンボーディング

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──入社したのは、2021年の4月ですよね。そして今回メインで聞いてみたかったワクチン予約のCS担当をやられていたということは、入社してすぐ任されたのでしょうか?

はい、入社したのは4月です。ワクチン接種の予約システムの提供については、入社してすぐのタイミングでオンボーディングを専任でひとりつけるか、全員で分担するかが議論されました。はじめは、私にもできるならやりたいと思ったものの、入ったばかりでシステムの動きもわからない状態で手をあげられませんでした。そこで、上司であるじんさん(陣山さん)が、「谷中さんがチャレンジしてもいいんだよ」と背中を押してくれて。それで手をあげることができたんです。

──不安はありませんでしたか?

不安というよりはもっと大きな、何がどう起きるんだろう?という気持ちがありました。何もわからないままに、営業チームの担当の方から提案している内容を引き継ぎしてもらい、早速オーナーさんと話すことになりました。

──ワクチン接種だとオーナーさんはどんな方たちになるのでしょうか?

最初は個人病院の方が多かったです。ちらほら自治体の方もいらっしゃいました。後半は職域接種の担当の方が増えきましたね。

──実際にオーナーさんと話してみて、どんな印象でしたか?

私には全く予想できていなかった課題や、絶対にはずせないポイントがあるのだということ、そしてかなり急いでいるんだということが身を持ってわかりました。一回目と二回目の予約があって、二回目の予約までの日程はきっちり決まっていること、病院や職域接種の方は、データを国に提出して申請する必要があること、個人情報の取り扱いで、このひとつのデータがそこまで議論される問題になるんだ、と驚いたこともありました。そして何よりも病院が、自治体が、そして国レベルでこの接種を大至急やらないといけないということ、必然的にCSの対応も全てが至急になることがわかりました。

──至急の対応を、入ったばかりの会社でやるのは大変ではありませんでしたか?

今だから話せますが、正直大変でした(笑)。お名前しかわからない方にSlackでメンションをつけたり、「もういいや、怒られても」と思いながらグループ全体へのメンションをつけたり。なりふりかまわずやっていたけれど、もう迷惑をかけてでもやるしかないと思っていました。もしかしたら自分が今質問していることもどこかに書いてあって「調べてよ」と言われることかもしれないけれど、それもわかった上で聞くしかないくらい急いでいたんです。申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

──それはかなり大変そうです。グループにメンションするのも、顔が分からない人にメンションするのも勇気がいりますよね。

そうなんです。毎回「お忙しいところすみません」とSlackで質問していたら、ちょうどタイミングを見計らったようにじんさんと、プロダクトマネージャーの西岡さんが「依頼も質問も、仕事してお互いやっているんだから、同じ仲間としてきいていいんだよ」と教えてくれて。おかげですごく楽になりました。オーナーさんに必要だからきいている、というスタンスがつかめるようになりました。

お母さんとの電話と、オーナーさんの「ありがとう」

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──STORES 予約 が提供したワクチン接種の数を考えると、心が折れそうになるタイミングが何度もあったのではないかと思います。どのように乗り越えたのですか?

前提として、ワクチン接種のシステムを提供することをheyが会社として決めたことに異論はありませんでした。社会に必要なのはニュースを見れば明らかでしたし、会社が決めたことを一生懸命やっていくことが私の仕事だと思っていたからです。また、ワクチン接種という特性上いつかは忙しい時期の終わりがあるということもわかっていました。それでも、辛い時は何度かありました。そういう時は、笑って上司やメンバーに相談するか、それでもだめなら、お母さんに電話していました。ばーっと話したらすっきりして、また頑張ろうと思えたんです。

──お母さんとの電話、いいですね。実際に自分でワクチン接種を予約して、受けてみた時はどうでしたか?

もちろん嬉しくて、誇らしい気持ちもありましたが、やっぱりCS目線が出て「こういうオペレーションがあるんだな」と思ったり。実感が湧いたのは接種会場に行った時です。たくさんの人がSTORES 予約 の画面を出して待っている様子を見て、「それ、私の会社がやってるよ!」と言いたくて言いたくて(笑)。そして、これだけの人が一気に来てもトラブルなく進めるオペレーションを組んでいるオーナーさんにただただ頭が下がる思いでした。

──壮絶なプロジェクトがひと段落した瞬間ですね。このインタビューを通して、谷中さんの乗り越える力がとても印象的でした。どこからそんな力が湧いてくるのでしょう?

うーん、ずっとやってきたバスケットボールの部活のおかげかもしれないですし、音楽活動をずっとやってきて度胸がついたのかもしれません。けれど、私も100%ポジティブなのではなく、悩むこともたくさんあるんです。けれど、オーナーさんからの連絡がそれを吹き飛ばしてくれる。「無事にスタートできました」「接種が終わりました」という連絡と一緒に「ありがとう」という言葉をいただけたら、もうそれで悩みなんて吹き飛んでしまう。ライブで歌えばしんどかったことが一気に吹き飛んでいたように、この言葉で全部報われてしまう。そんな魔法の言葉なんです。今はそういう一言に救われながら、「私はこれをやってきた」と言える仕事を作っているところです。

谷中さんのお気に入り:NASU FARM VILLAGE
モデルの紗栄子さんが経営している那須の牧場のECショップです!
紗栄子さんのYouTubeが好きでよく見るのですが、その中で牧場経営について知りました。私自身栃木出身ということもあり、個人的にも応援してます!那須の牧場がとてもおしゃれになってて嬉しい!

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